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アジア秩序をいかに支えるか
―― 勢力均衡と秩序の正統性

カート・M・キャンベル  アジアグループ 議長  ラッシュ・ドーシ  ブルッキングス研究所 中国戦略イニシアティブ ディレクター

How America Can Shore Up Asian Order
A Strategy for Restoring Balance and Legitimacy

Kurt M. Campbell アジアグループの議長兼最高経営責任者(CEO)。前米国務次官補(東アジア太平洋担当)。フォーリン・アフェアーズでは、「外交的自制をかなぐり捨てた中国―― 覇権の時を待つ北京」(2020年8月号)、「コロナウイルスと米中の覇権―― パンデミックと中国の野心」(2020年5月号)などを発表している。  Rush Doshiブルッキングス研究所の中国戦略イニシアティブのディレクター。エール大学ロースクール中国センターのフェロー。近くThe Long Game: China's Grand Strategy to Displace American Orderを出版予定。フォーリン・アフェアーズでは、「リークと嘘と中国の権力闘争―― 暴露の応酬で揺らぐ共産党の未来」(2017年8月号)などを発表している。

2021年2月号掲載論文

ウィーン体制によって1815年から第一次世界大戦までの1世紀に及んだ長い平和の礎が築かれた。大国間政治が激化し、地域秩序が緊張している現在のインド太平洋はウィーン体制の歴史的教訓から多くを学べるだろう。当時も今もいかに勢力均衡を形作り、秩序の正統性を保つかが問われている。北京の行動が、アメリカやアジア諸国の「インド太平洋秩序」のビジョンと衝突するのが避けられない以上、ワシントンはシステムを強化するために他国と協力し、北京が生産的に秩序にエンゲージするインセンティブを与え、一方で中国が秩序を脅かす行動をとった場合のペナルティを他の諸国とともに考案しておく必要がある。秩序のパワーバランスと正統性をともに維持するには、同盟国やパートナーとの力強い連帯、そして中国の黙認と一定の応諾を取り付けておく必要がある。

  • 勢力均衡と正統性
  • ヨーロッパの過去はアジアの未来か
  • パワーバランスを回復する
  • 秩序を構成する二つのアジア
  • 同盟諸国との連帯を

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